Lens Impression
イタリアの高級一眼レフカメラRectaflexレクタフレックスは会社のイタリア国内での活動期間がわずか8年(1947年から1955年まで)と極めて短いにも関わらず、把握しきれないほど多くのレンズメーカーから専用レンズが供給されました。思いつく社名だけでも、
(伊)Officune Galileo, Filotecnica Salmoiraghi Milano,
(仏)Angenieux, SOM Berthiot, Kinoptik,
(独)Carl Zeiss, Voigtlander, Schneider, Rodenstock, Schacht, Steinheil,
Kilfitt,
など数え切れず、登場しない企業名を挙げるほうがはるかに容易なくらいです。そう、登場しない主なメーカーはライツと英国、日本の企業くらい。なぜこれだけ多数のレンズメーカーからの供給を受けたのか?言い換えると、それほど数が売れるわけでもないのになぜ各社は専用マウント対応までして小数生産したのか?とても不思議です。
母国イタリアからは2社がレンズ供給を行っていますが、今回のRectarはOfficine Galileoガリレオ社が製造したf2.8の中堅レンズです。構成はシンプルなテッサー構成。フランスAngenieuxs社のZ2=50mmf2.9に対抗して作られたともいわれています。製造期間はわずか2年で製造数はかなり少ないと想定されますが、私自身もこのレンズ以外ではまだお目にかかったことはありません。
描写はテッサー構成らしく、切れ味が良く、すっきりしていますが、レンズ製造からの経年経過による画像の揺らぎも楽しめるレンズです。
|